焼酎よもやま話
魅惑の「紫芋」焼酎の世界をご紹介♪
皆さまは、「紫芋」と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
おそらく「タルトなどのお菓子に使われている、さつま芋?」と想像されるのではないでしょうか。
実際に、普段、焼き芋としては食べることがあまりない紫芋。接する機会はお菓子の材料として、ということが多いと思います。
しかし紫芋は、実は焼酎でも広く使われているお芋で、私たちの蔵でも沢山の芋焼酎を「紫芋」で造っています!
まだ、紫芋の焼酎を飲んだ事がない・・という方は、その独特で華やかな風味に驚かれるかもしれません。
紫芋とは?
紫芋と一言でいっても、さまざまな品種があります。
明るい農村の蔵で仕込んだことがある品種だけでも、綾紫(アヤムラサキ)、頴娃紫(エイムラサキ)、種子島ロマン、 紫マサリ、パープルスイートロードなどなど。
それらの品種に共通しているのは、なんといっても、その果肉の鮮やかな紫色!
皮は紫色や赤茶色っぽいものもありますが、中身の果肉部が鮮やかな紫色で、この美しい色合いがお菓子の色付けなどに重宝されています。
紫芋に多く含まれる成分として、代表的なものに、アントシアニンという色素があります。抗酸化作用をもつポリフェノールの一種で、一般的には、視力回復に良い、動脈硬化を防ぐといった効能が あるとされており、健康的な面からも注目されます。加えて、さつまいもに本来含まれているビタミンCやβ-カロテン、食物繊維が豊富に含まれていますよ♪
風味・味わい
紫芋を「焼きいも」にしてみると、一般的には甘さは控えめで、さっぱりした味わいです。・・・ですが、芋焼酎にすると、紫芋独特の香りに驚きの変化が!
ふくよかな芋の香りに加え、ヨーグルトや赤ワイン、と例えられるような、特有の華やかさをもつ焼酎になるのです♪
多くの芋焼酎が「白芋」と呼ばれる、皮も中身も白いさつま芋で造られていますが、「紫芋」を使うことで、白芋で仕込んだ焼酎とは、まったく違った個性を持つ焼酎ができあがります!
紫芋を使った芋焼酎
ここからは、明るい農村の蔵の「紫芋」を使った芋焼酎をご紹介します。
赤芋仕込み・明るい農村
夕日が田んぼを照らす、そんな赤いラベルの「赤芋仕込み・明るい農村」。
蔵では「赤農村」と呼んでいます。赤芋・・・と名前がついていますが、使っているのは、実は紫芋です!赤芋と呼んでいるのは、紫芋ではありますが、仕込み途中のモロミの色が、 きれいな赤紫色になるためです。
フルーティな香りと、すっきりとした飲み口が持ち味で、水割り、ロック、お湯割りとオールラウンダーな活躍をしてくれる、 代表銘柄「明るい農村」に次ぐ定番品です。
赤芋熟成古酒・明るい農村
「赤芋仕込み・明るい農村」をさらに3年以上熟成させた、奥深い味わいの熟成古酒。
温度差の少ないホーロータンクの中で、じっくりと長い時間をかけて熟成させることで、口当たりが柔らかく、まろやかな甘さを感じる逸品に。
紫芋・焼き芋焼酎農家の嫁
紫芋を焼き芋にして仕込んだ、珍しい焼酎。紫芋特有の華やかな香りが、焼き芋にすることで さらに凝縮して、濃厚なフルーティさが楽しめる味わいとなっています。
多くのお客様から「おいしい!」と賞賛の声をいただいており、高い人気を誇っています。
最後に
気になる紫芋焼酎はございましたか?
フルーティで、焼酎を飲みなれない方でも、親しみやすい味わいの「紫芋焼酎」。 ぜひ一度、お試しくださいね(^▽^)/
~霧島神宮門前蔵 明るい農村~鹿児島県霧島市霧島田口
焼酎の75%は?
ふつう、芋焼酎のアルコール度数は、25度です。つまり、残りの大部分である75%は「水」となります。
明るい農村で使うお水
明るい農村(霧島町蒸留所)は、1000m級の山が23座連なる、霧島連山のふもとに蔵があります。 仕込みに使うお水は、霧島山系により長い年月をかけて磨かれた、天然水(地下水)です。
大自然のフィルターを通って生まれたこの水は、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富で、 代謝を高めるサルフェートという成分を多く含んだ、おいしいお水です。
水の硬さでいいますと、中硬水となります。
焼酎の仕込みにも、25度に調整するにも、この地下水を使っています。
焼酎の割り水をする際などに、お楽しみください。
「霧島の名水・明るい農村」
やきいも焼酎
一般的な芋焼酎は、原料のさつまいもを「蒸して」使っています。一方で、やきいも焼酎は、名前のとおり、さつまいもを「焼きいも」にしてから仕込んだ焼酎になります。
その始まりは、何だったのでしょうか。
やきいも焼酎の始まり
芋焼酎が鹿児島県外では、まだあまり飲まれていない30年ほど前のことです。 芋焼酎が都会の人に飲まれない理由として、
「芋焼酎を飲むと、服も、髪の毛も、芋くさくなる・・・」
という声が多くありました。
そこで、鹿児島の焼酎メーカーで、「芋くさくない」ものを造ろう、という話になりました。
芋くささの原因は何か?と考えられたところ、さつまいもの蒸した香りではないか、という事になり、では原料を「蒸す」のではなく、「焼いて」みようとなり、 「やきいも焼酎」が誕生したのです。
やきいも焼酎の酒質は、意外にも「芋らしく甘い」というわけではなく、どちらかというと個性的な香りで、通常の「蒸しいも焼酎」より、すっきりした香味になりました。
よろしければ、ぜひ、お楽しみください。
「焼き芋焼酎 農家の嫁シリーズ」
古酒とは?
焼酎のラベルに、「古酒」「長期貯蔵」という言葉が入っている事がありますが、焼酎の古酒(長期貯蔵酒)とはどういうものでしょうか。
焼酎の古酒
「古酒」や「長期貯蔵」と表示している焼酎は、造られてから3年以上の貯蔵・熟成を重ねた焼酎が、全体の半分以上入っている焼酎です。
できたばかりの焼酎は、発酵ガスが多く含まれたり、水との馴染みが十分でなかったりしていますので、刺激的で荒々しい味わいとなります。そこで、原酒ベースで時間をかけてゆっくりと貯蔵することで、少しずつ、口当たりがまろやかになり、おいしくなります。
熟成には、3つの段階があり
・3か月~6か月→初期熟成(ガス臭、刺激風味が減少)
・6か月~3年→中期熟成(丸みの増加)
・3年以上→古酒化期(成分の濃縮、丸味の増加)
時間をかけるごとに、やわらかで丸みのある味わいになります。
霧島町蒸留所では、このような古酒(長期貯蔵酒)をご用意しています。よろしければ、ぜひ、お楽しみください。
明るい農村のおすすめの熟成古酒
新焼酎
秋から冬にかけて、芋焼酎の新酒、新焼酎という商品を見かけますね。新焼酎とはいったいどんなものでしょう?
新焼酎(しんしょうちゅう)
鹿児島では、8月ごろから、春に植えたさつまいもの収穫が始まります。焼酎蔵では、さつまいもの季節に合わせて、その年の新鮮なさつまいもを原料に、焼酎づくりをはじめます。
蒸留したばかりの芋焼酎は、発酵ガスが多く含まれるので、硫黄のような独特の刺激的な香りがします。このため、通年販売の芋焼酎に比べると、飲みづらさを感じる方も多いようです。
しかし、一方で、蒸留したばかりだからこそ、うまみ成分の高級脂肪酸エチル類も多く含まれるので、独特の濃厚さは、1年に1度、この時期でなければ飲めないものです。
(実は、このうまみ成分は、そのままにしておくと、酸化しておいしくなくなるので、蔵では寒い時期に、余分なものを取り除くのです。)
1年で1度だけ楽しめる、新焼酎。
霧島町蒸留所では、毎年、10月下旬発売の「明るい農村・蒸留したて」、また、11月下旬発売の「赤芋明るい農村・蒸留したて」として、発売しています。
白濁した新焼酎は、よく振ってうまみ成分を溶け込ませてから、お召し上がりください。
ハツダレ、原酒とは?
芋焼酎は、一般的にアルコール度数が25度です。しかし、それ以外にも、ラベルに「ハツダレ」や「初留取り」「原酒」と記された、度数の高い焼酎がありますね。それは、いったい何でしょう?
ハツダレ(初垂れ)
焼酎は、蒸留という工程があります。発酵のおわった焼酎もろみを、蒸留機に移し、蒸気を入れると、アルコールは70~80℃で沸騰し、気体になります。それが蒸留機のネックを通り、冷やすことで、気体から液体にもどり、焼酎を取り出します。
明るい農村では、1回の蒸留時間が2~3時間ほどかかりますが、焼酎が出てくる順に、「初垂れ(ハツダレ)」「中垂れ(ナカダレ)」「末垂れ(スエダレ)」と呼びます。
特に、最初に出てくる「初垂れ(ハツダレ)」は、初留(しょりゅう)、初取り(はつどり)とも呼ばれ、高濃度でうまみの詰まった部分です。
明るい農村では、蒸留して最初の10分間のハツダレ部分を少しずつ取り分け、かめ壺で貯蔵したのち、「黄金ハツダレ・明るい農村」としています。
赤芋(紫芋)で仕込んだハツダレは、「赤芋ハツダレ・明るい農村」です。
原酒
蒸留をして、最初のうちは70度近いアルコールが出ますが、蒸留の最後あたりは、10数度まで度数が落ちてきます。そして、2~3時間かけた1回の蒸留が終わると、アルコール度数36~38度の焼酎がとれます(原料がさつまいも(黄金千貫)の場合)。
このように蒸留後の焼酎に、水を加えて調整をしない状態のものを、「原酒」といいます。
米や麦などの穀物で造りますと、40度を超える焼酎原酒がとれることが多いです。さつまいもは、その品種や製法によって、とれる原酒のアルコール度数がさまざまです。
■おすすめの「原酒」
明るい農村の原酒「美しい日本の農山漁村」
秘蔵古酒・明るい農村
おすすめの飲み方
「ハツダレ」「原酒」の魅力は、なんといっても、アルコール度数の高さからくる、濃厚なおいしさ、コクです。よーく冷やしてストレートか、ロックで、少しずつ、ゆっくりとお楽しみください。
芋焼酎で、梅酒を作りませんか?
クセになる芋焼酎の梅酒
5月~6月は、梅の実が採れる頃ですね。
ことしは、いも焼酎で、梅酒を手作りしてみませんか?
さつまいもの焼酎が、梅エキスと相まって、複雑で深いコクが楽しめる梅酒になり、
1度飲むとクセになりますヨ(*^^)/
用意するもの
青梅 | 1kg |
---|---|
氷砂糖 | 700g~1kg |
芋焼酎の原酒(36度以上) | 1リットル |
作り方
- 漬け込む瓶は、洗い、熱湯消毒をし、よく乾かす。
- 梅はさっと水洗いし、竹串等でヘタを取り、きれいな布で水気をとる。
- 瓶に、梅と氷砂糖を交互に入れ、最後に、芋焼酎(原酒)を注ぎ入れる。
- 蓋をして日の当たらない冷暗所などで熟成させる。
※3か月後ほど経つと飲めるようになります。
お好みの熟成期間でお楽しみください。
ロック、ソーダ割りも美味ですo(^▽^)o
梅酒を造る時にオススメの芋焼酎
芋焼酎はアルコール度数が高い原酒(36度以上)のものが、濃厚な梅酒に仕上がるので、美味です♪
当蔵の芋焼酎ですと、 「美しい日本の農山漁村」(原酒)がオススメです。
全量芋焼酎とは?
全量芋焼酎というのは、どんな焼酎でしょうか。
全量芋焼酎
意外かもしれませんが、ふつう芋焼酎は、原料に、さつまいも、米(米麹)を使っています。それでは、「全量芋」焼酎とはどういうものでしょうか?
麹を、さつまいもでつくり(芋麹)、さらに主原料のさつまいもを加えて造る、というものです。原材料すべてが、さつまいもという意味で、「全量芋」や、「さつまいも100%」と表現しています。
芋焼酎は、さつまいも100%と思いがちですが、麹づくりに適しているのは、穀物なため、全量芋焼酎づくりは、いつもとは違う、難しい技術になります。
芋麹に使うさつまいもは、米粒ほどの大きさにカットした、サツマイモダイスです。
ふつうの芋焼酎の香りは、実は、米からくる香りも強く影響しています。
このため、全量芋焼酎の香りは、思いのほかスッキリしているようです。さつまいも100%を原料に使う、全量芋焼酎ならではの、独特の味・香りを楽しんでください。
明るい農村でも全量芋焼酎をつくっています。
常圧蒸留と、減圧蒸留
焼酎の蒸留方法には、「常圧蒸留」と「減圧蒸留」の二つがあります。
常圧蒸留
わたしたちが日常を過ごす気圧の中で、やかんを火にかけ、お湯を沸かすと、お水が100℃で沸騰するイメージです。
焼酎もろみを、蒸留機に入れ、蒸気を入れると、アルコールは70~80℃で沸騰し、気体になります。それが蒸留機のネックを通り、冷やすことで、気体から液体にもどり、焼酎を取り出します。
複雑な成分まで蒸留されるので、原料本来の豊かな風味を楽しむことができます。
芋焼酎は、主に常圧蒸留です。
■常圧蒸留の焼酎例
かめ壺焼酎「明るい農村」
やきいも焼酎「農家の嫁」
減圧蒸留
高い山の上でお湯を沸かすと、低い温度で沸騰するイメージです。
蒸留機の中の気圧を低くすると、アルコールは通常より低い温度で、早く沸騰します。
常圧蒸留よりも、軽い成分が蒸留されやすく、クセのない、飲みやすい焼酎を取りだすことができます。
麦焼酎や、米焼酎、黒糖焼酎に多い蒸留方法です。お好みで、楽しみましょう♪
原料本来の豊かな風味を楽しむ常圧蒸留の焼酎、軽やかで飲みやすい減圧蒸留の焼酎、あなたのお好みの焼酎は、どちらですか?
体にやさしい、本格焼酎
本格焼酎は、酔いざめがよく、二日酔いしにくいと、多くの愛飲者が体験しているようです。
これは、二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドが、本格焼酎の場合、血液から消失しやすいから、と考えられています。
また、普段から本格焼酎を飲んでいる人は、上手な飲み方を会得し、二日酔いになりにくいのでは、と考えられています。
また、血栓を溶かす酵素ウロキナーゼの働きは、アルコールを飲まないグループに比べ、日本酒・ワイン・ビールを飲んだグループは1.5倍。本格焼酎は、2.4倍の高い活性率が認められています。
本格焼酎が他の酒類に比べて効果が高いのは、蒸留時に残された微量成分が、血栓溶解や血管に働くためだと考えられています。
もちろん、栄養バランスの良いつまみと一緒に、適量を召し上がるのが一番です。本格焼酎は、楽しくお召し上がりくださいね。